乳歯が虫歯になるとどうなる?子供の歯を守るには

子供の歯


「乳歯」について

乳歯とは、子供のときに生える歯のことです。乳歯が抜けたあとには永久歯が生えてきます。 子供の発育・成長において、乳歯の発達は将来の歯の基礎的な機能を築く上でとても重要な過程です。ここでは、子供の歯の健康を守るために知っておきたい、乳歯の基礎知識について詳しくご紹介します。

乳歯の主な役割

毎日歯磨きをしていても、歯面に着色がみられるのは珍しくありません。歯磨きだけでは、着色を完璧に予防できない場合が多いです。それは、単に汚れが付着しただけでなく、唾液中のタンパク質(ぺクリル)と結びついて歯面に沈着してしまうことが原因です。

噛む

食べ物を噛み砕いたり噛み切ったりすることで、栄養素の吸収がよくなります。また、よく噛むことで顎が発達し、顔の形も整います。

発音

乳歯が生えることで正しい舌の位置を覚え、言葉を上手に発音・構音できるようになります。

永久歯の誘導

生え変わり時期に、乳歯の根の部分(乳歯根)が吸収されます。歯根吸収が進むと、ほぼ歯冠のみとなって自然に抜け落ち、その永久歯が正しい位置に導かれます。

乳歯が生え変わる時期

乳歯のもととなる歯胚は、妊娠7~10週目(妊娠3ヶ月頃)に形成され、生後8ヶ月頃に下顎の乳中切歯(前歯)から生え始めます。(乳歯の生え変わりの時期や順番には個人差があります) 全ての乳歯が生え揃うまでにはおよそ2~3年かかり、その後、乳歯から永久歯へと生え変わるのは6~12歳頃です。

歯の生え変わる年齢

乳歯と永久歯の違い

同じ歯でも、乳歯と永久歯には大きさや色、歯質、本数などに違いがあります。

乳歯と永久歯の違い

大きさ永久歯と比べて、乳歯の方が一回り小さいサイズです。

乳歯は白に近い色をしていますが、永久歯は黄みがかった色をしています。

歯質エナメル質、象牙質、歯髄、セメント質などそれぞれを構成する組織に違いはありませんが、乳歯は永久歯と比べ、エナメル質や象牙質の厚みが1/2しかないのが特徴です。

本数乳歯の本数は全部で20本であるのに対し、永久歯は親知らずを含めて32本あります。

乳歯は虫歯になりやすく進行が早い

乳歯は、永久歯に比べてやわらかく酸に弱いため、虫歯になりやすいです。また、エナメル質や象牙質に厚みがなく、虫歯になると一気に進行してしまいます。
特に、小さな子供であれば上手に痛みを伝えることが難しいこともあり、大人が気付いたときには神経にまで達しているなど、重症化するケースも少なくありません。

乳歯の虫歯の感染経路

虫歯の原因菌は唾液から感染します。食器・スプーン・箸の共用や口移しなどが原因で、大人の口腔内に存在している虫歯菌が子供の口腔内へと侵入することから虫歯が発生します。

乳歯が虫歯に感染しやすい時期

乳歯が虫歯に感染しやすいのは、「感染の窓」と呼ばれる生後19~31ヶ月(1歳7ヶ月~2歳7ヶ月)の時期です。この時期を乗り越えれば、それ以後は虫歯に感染しにくくなります。

乳歯の虫歯を放置することの主な5つの悪影響

乳歯の虫歯は成長途中の子供の身体にさまざまな悪影響を及ぼします。「いずれ乳歯は永久歯に生え変わるから」といって、決して虫歯を放置してはいけません。
乳歯の虫歯を放置すると次のような悪影響があるため、適切な治療が必要です。将来の身体づくりのためにも、乳歯のうちからお口の健康づくりを徹底することが大切です。

偏食 悪影響その1
偏食になりやすい

虫歯により、噛む時に痛みを生じたり、噛みにくくなったりすると、固い食べ物を避けるようになるなど偏食になりやすくなります。

顎が十分に発達しない 悪影響その2
顎が十分に発達しない

虫歯になりうまく噛めなくなることは、顎の発達にも悪影響を及ぼします。咀嚼回数の減少により、噛む力の発育・顎の発達を妨げます。

虫歯のリスク 悪影響その3
虫歯のリスクが高まる

虫歯を放置していると、口の中で細菌が増え続けてしまいます。そのため、口の中に細菌が多くなり、他の歯が虫歯になるリスクが高くなってしまいます。

放射線治療による影響 悪影響その4
永久歯の歯並び

虫歯になって早期に乳歯を失い、両隣の歯が傾いてしまうと、永久歯が生えてくるのに十分なスペースがなくなって歯並びが乱れてしまいます。

永久歯の発育を妨げる 悪影響その5
永久歯の発育を妨げる

乳歯の虫歯が進行して歯髄にまで達すると、乳歯の下で育っている永久歯の発育に悪影響を及ぼします。変色や凹みのある永久歯が生えてくる場合もあります。

乳歯の虫歯を予防するには

乳歯の虫歯を予防する方法として、以下のような方法があります。

家族全員の口腔ケア

赤ちゃんは無菌状態で産まれてきます。つまり、虫歯菌は生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には存在しません。
赤ちゃんの虫歯を防ぐには、赤ちゃんに虫歯菌をうつさないように、妊娠中から家族全員がセルフケアや定期的な歯科検診を徹底し、口腔内を清潔に保つことが大切です。未治療の虫歯がある場合には、早めに歯科医院で治療を受けましょう。

適切なブラッシング

乳歯から永久歯へと生え変わる時期は、歯並びが悪くブラッシングがしにくい時期です。奥歯の溝や前歯の磨き残しなどに注意しながら、虫歯の原因となる歯垢をしっかり除去することが大切です。
小さな子供の場合、一人では十分に磨けない部分もありますので、必ず仕上げ磨きをしてあげてください。歯磨きの仕方が不安な場合は、歯科医院でブラッシング指導を受けるのもよいでしょう。

フッ素の活用

フッ素は歯垢内の細菌の活動を抑制し、再石灰化を促進して歯質を強くしてくれます。
乳歯は永久歯と比べてフッ素を取り込みやすいという特徴があるため、子供のうちからフッ素を活用することで、より高い虫歯予防効果が得られます。 フッ素の利用方法としては、フッ素配合の歯磨剤フッ素洗口、歯科医院で受けられるフッ素塗布などがあります。