インプラントとは - 治療の歴史と人工歯との違い

【インプラントとは】
人工歯根にチタンが使われる理由/天然歯との違い

「インプラント」とは、医療目的で使用される、体内に埋め込まれる医療機器や材料の総称です。
 
歯科では、失った歯を補うために顎の骨に埋め込まれる人工歯根の事を指します。整形外科では、人工関節や骨接合用品などがあります(プレート、スクリュー、ボルトなど)。
歯科におけるインプラントは「デンタルインプラント(歯科インプラント)」と呼ばれますが、インプラント治療が普及してきたため、略して「インプラント」と呼ばれることが多くなっています。
(当サイト内でも、インプラントと呼んでいます。)

インプラント治療はチタン製の小さなネジを埋め込みます

歯を失った場所に、ネジのような形をした人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工歯を装着して歯を補う治療がインプラント治療です
インプラント材料には、純チタンあるいはチタン合金が使用されています。

なぜチタンなのか

チタンは生体親和性にすぐれ、骨と直接、強固に結合する性質を持っています。また、アレルギーが起きにくく、生体内で長期的に安定しているため、歯科および整形外科でもインプラントとして使用されています。

インプラントの歴史

歯科インプラントの歴史は古く、紀元後600年頃、マヤ族が歯の欠損部位に貝殻を埋め込んで、インプラントとして歯の再建を行っていました。
1952年、スウェーデンの整形外科医・ブローネマルク博士が、動物実験中に偶然、骨の中に埋め込まれたチタンを撤去できなかったことから、チタンが骨と直接、強固に結合している事を発見しました。その後、チタン製の歯科インプラントの研究・開発が始まり、ブローネマルク博士は1965年に初めてチタン製インプラントを患者の顎骨に埋入しました。このインプラントは、患者が2005年に亡くなるまで40年間機能し続けました。
 
日本で初めてチタン製インプラントによる治療が行われたのは、1983年のことです。
入れ歯と違い、インプラントは自分の歯と同じようによく咬むことができ、思いきり笑ったり、はっきりと話ができるようになり、生活の質(Quality of Life)を向上させる治療方法として、日本でも普及しました。

インプラントと天然歯の違い

天然歯には歯根と歯槽骨をつなぐ歯根膜がありますが、インプラントには歯根膜がなく骨に直接結合しています。
インプラントは人工物なのでむし歯にはなりません。しかし、プラーク(歯垢)の付着により、インプラント周囲の粘膜が炎症を起こすと、歯周病のような状態になる事があります。

インプラントは差し歯とは違います

差し歯は自分の歯根に土台を入れて、その上に人工歯を装着する治療です。
インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込んで、その上に人工歯を装着する治療です。
 
差し歯は自分の歯根が残っている部位に行う治療で、インプラントは歯を失った部位に行う治療です。

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