歯科レーザーによる歯茎の黒ずみ治療「ガムピーリング」とメタルフリー治療
歯科レーザーはさまざまな用途で活用されています。歯周病や歯の根の治療などに活用されていることは、ご存知の方も多いかと思います。
しかし、それだけでなく知覚過敏の改善や虫歯予防、口内炎治療など幅広く治療に活用されています。審美歯科治療においては、歯肉の黒ずみ(メラニン色素の沈着)を改善にも活用されています。
歯肉が黒ずむ主な3つの原因
1. 被せ物や差し歯に使われている金属
保険治療では、被せ物や差し歯に金属が使われていますが、時間が経過すると金属が溶け出して、歯肉を変色させてしまうのです。
近年は、メタルフリー治療が日本でも少しずつ浸透してきていますが、保険が適用とならないため、保険の被せ物や差し歯によって歯肉に黒ずみが生じてしまっている人も少なくありません。
2. 喫煙
タバコを吸うことによって歯肉の色素沈着が起こってしまいます。これは、受動喫煙でも同様に起こるため、親が喫煙者である場合に子供にも起こり得ます。
3. 歯周病
歯周病は細菌によって引き起こされる歯肉の病気ですが、歯肉の炎症がひどくなると、歯肉の色が黒ずんできます。
健康な歯肉は引き締まっていてピンク色をしていますが、歯周病になると歯肉が腫れて赤みを帯びてしまいます。さらに進行すると、歯肉がぶよぶよとして黒ずんできます。
歯周病は、初期段階では痛みなどの自覚しやすい症状はありませんが、歯肉の腫れや出血がある場合には歯周病を疑い、早めの歯科の受診が必要でしょう。
歯肉の黒ずみを解消するレーザーを使った「ガムピーリング」とは
歯茎の色は口元の美しさにも大きく影響します。歯のホワイトニングの需要は高く、白い歯を目指す人は多くいます。しかし、せっかく白い歯を手に入れても歯茎が黒ずんでいるのでは、美しい口元を作ることはできません。
近年は、白い歯だけでなく、美しい歯茎を目指す人も増えています。そして、歯茎の黒ずみを解消するレーザー治療の需要が高まっています。
レーザーガムピーリングの手順・流れ
1. カウンセリング
歯肉の状態をチェックし、悩みや希望をお聞きします
2. レーザー照射
歯肉に(片顎ずつ)レーザーを当てます。痛みはありません。
2. レーザー照射
歯肉に(片顎ずつ)レーザーを当てます。痛みはありません。
3. 治療終了
レーザーを当てた歯肉は白くなりますが、3日程度で白い部分が剥がれ落ち、ピンク色の新しい歯肉になります。
1週間程度経過したら、歯科医院でチェックを行います。
歯科診療に使用される金属
歯歯科診療において、被せ物や差し歯など多くの治療で金属が使用されていますが、全ての金属が歯茎の黒ずみの原因となるわけではありません。歯科診療にはさまざまな金属が使用されていますが、中には歯茎の着色の原因とならない金属もあるのです。
保険適用の金属は歯ぐきの黒ずみの原因に
保険が適用となる素材に、金銀パラジウム合金・銀合金などがありますが、これらの金属は歯茎の黒ずみの原因となるだけでなく、金属アレルギーの原因になる可能性があります。
一方、金合金・白金合金などの金属は、保険が適用となりませんが、歯茎の黒ずみやアレルギーの原因になりにくいです。
保険がきく金属は、歯茎の黒ずみやアレルギーを引き起こしやすいと言えます。保険治療は費用が抑えられるというメリットがありますが、デメリットもあります。トータル的に考えて、治療で使用する素材を選択することも大切でしょう。
メタルフリー治療とは?
近年は、歯科診療において金属を使用しない「メタルフリー」が浸透してきています。補綴物に金属を使用することは、歯茎の黒ずみ・アレルギーの原因となるだけでなく、次のようなデメリットがあります
- 審美性に劣る(目立ってしまう)
- 虫歯のリスクが高い
- 汚れが付着しやすい
- 劣化しやすい
- 天然歯よりも硬いため、噛み合う歯に負担をかける
など
金属による悪影響を防ぎ、より審美性に優れ、口の中の健康向上につながるメタルフリー治療へ、世界的に移行が進んでいると言えるでしょう。