総入れ歯のお悩みを解消するインプラントオーバーデンチャー
歯がないため総入れ歯を使用している方の中には、「噛みにくい」「何となく合わない」などの違和感をお持ちの方は多いのではないでしょうか。総入れ歯は、時間とともに骨が痩せてしまることにより、使っているうちに合わなくなることもしばしばです。
そのような、総入れ歯の使いにくさを解決する治療法にインプラントオーバーデンチャーがあります。
インプラントオーバーデンチャーとは
インプラントオーバーデンチャーとは、外科手術によって顎の骨に埋め入れた2~4本のインプラントに入れ歯を固定する治療法のことで、アタッチメントの働きをする部品を使ってインプラントと入れ歯と連結することから、「アタッチメント義歯」とも呼ばれています。
入れ歯が顎の骨にしっかり固定されるため、食事や会話の途中でずれたり、外れたりするような心配がありません。また、場合によっては、現在ご使用の総入れ歯を継続してお使いになることも可能です。
さらに、インプラントオーバーデンチャーには次のようなメリットがあります。
- 安定感に優れている
- しっかり噛める
- 会話がしやすくなる
- 取り外しが簡単
- 埋入するインプラントの本数が少ない
インプラントオーバーデンチャーのしくみ
通常のインプラント治療では、外科手術でインプラント体を顎の骨に埋め込んだ後、スクリューと呼ばれる小さなネジを使って、支台となるアバットメントや人工歯を固定します。ネジを締めた後で人工歯にふたをするため、歯科医院でしか人工歯を取り外すことはできません。
それに対して、インプラントオーバーデンチャーの場合、インプラントに装着したアバットメントの先端を直接、入れ歯の底の部分に差し込むような構造になっています。それにより、患者さんご自身で取り外しができるため、自宅で気軽に入れ歯やインプラントのお手入れをすることが可能になります。
主なアバットメントの種類
インプラントオーバーデンチャーは、インプラント体に締め込むアバットメントの形状によって、入れ歯と連結する方法が異なります。ここでは、代表的な3種類のアバットメントをご紹介します。
ロケーター アバットメント
ロケーターアバットメントは、ボタンのような形の先端を入れ歯側に取り付けた部品にセットすることによって、入れ歯をインプラントに固定します。入れ歯とアバットメントの間には、固定する力を維持するためのナイロン製のキャップを装着するため、ずれたり外れたりすることがありません。
ボール アバットメント
ボールアバットメントは、ボール状の先端を入れ歯側に取り付けた部品にセットすることによって、入れ歯をインプラントに固定します。アバットメントの先端がボール状になっていることで、入れ歯をスムーズにセットできるほか、装着後に高い安定性が維持されます。
バー アバットメント
バーアバットメントを装着後にそれぞれをバーという部品で連結し、入れ歯側に取り付けた部品にセットすることによって、入れ歯をインプラントに固定します。バータイプのインプラントオーバーデンチャーは、連結が強固で外れにくいため、選ぶ際は事前に確認しておくと安心です。
インプラントと入れ歯はお手入れが必要です
インプラントオーバーデンチャーは、患者さんがご自身で取り外しが可能なため、ご自宅での簡単にお手入れをすることができます。歯磨きの際、インプラントの周囲や入れ歯に付着した汚れをきれいに落とすことによって、常に清潔な状態が保たれます。
しかし、インプラント周囲炎を予防するためには、歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける必要があります。特に、インプラントのメンテナンスは、破折や脱落の保証を受ける際に必要になるため、治療を受けた歯科医院に指定された頻度で、忘れずにメンテナンスを受けましょう。