歯についての一般知識~歯の本数や構造、種類~
歯の役割とは?
「歯は食事をするためにある」と多くの人が認識していることでしょう。歯は咀嚼という大切な働きを持っていますが、他にも多くの役割があります。
歯は発音に関与しており、会話を行う上で大切な役割を持っています。
また、歯は見た目の印象に大きく影響します。白くて美しい歯は、会う人に好印象を与えます。
咀嚼によって脳に刺激を与える・身体のバランスを保つなど、全身の健康にも大きく影響しています。
噛むことの効果
「咬む」という動作は、歯の役割の一つでもありますが、ただ咬み砕いて飲み込みやすくするだけではありません。咬むことによって、唾液の分泌が促進され、消化されやすくなります。
歯を失うと、咀嚼能力が低下し、しっかりと物を咬むことができなくなってしまいます。これにより、消化が悪くなり、栄養吸収の効率が低くなることがあります。
唾液の働き
咬むことで唾液の分泌が促進されます。唾液の分泌が少なくなると、食べ物が飲み込みにくくなり、消化・吸収されにくくなります。
唾液には細菌を洗い流す効果や、抗菌作用があります。唾液の分泌が減ると、むし歯や歯周病などの病気のリスクが高くなってしまいます。
唾液には次のような働きがあり、口の中はもちろん、全身の健康に影響しています。唾液の分泌量が減少しないように、歯を健康に保ち、よく咬んで食べましょう。
- 主な唾液の働き
- 食べ物を飲み込み
やすくする - 味を感じやすくする
- 汚れを洗い流し、
清潔に保つ - 食べ物を消化
しやすくする - PHを保ち、むし歯に
なりにくくする - 細菌の発生・活動・
増殖を抑制する - 歯の再石灰化を促進する
歯の構造
歯の表面はエナメル質という、体の中で最も硬い組織で覆われています。その下に、象牙質、歯髄(神経や血管など)があります。
初期むし歯でエナメル質が溶けた状態では、痛みはありません。しかし、エナメル質の下の象牙質にまで進行すると、神経に刺激が伝わり、冷たいもの・甘いものなどがしみるようになってきます。さらにむし歯が進行し、歯髄(神経)に達すると、温かいものがしみたり、強い痛みが生じたりします。
歯髄を失うことによる歯へのダメージ
むし歯が進行して歯髄が感染すると、感染した神経を取らなければなりません。
神経を取っても歯を抜く必要はありませんが、神経を取った歯は欠けたり割れたりしやすくなります。歯髄には神経の他、血管やリンパ管などが通っていて、歯に栄養を与えています。そのため、歯髄を除去してしまうと、歯は栄養を得られなくなってしまいます。
むし歯を除去し、神経を取る治療を行うと、残っている歯の量が少なくなり、もろくなってしまいます。
また、歯髄を除去すると、歯が変色しやすくなります。
歯を支える歯周組織とは
- 歯周組織
歯周組織とは、歯を支えているセメント質・歯根膜・歯槽骨(顎の骨)・歯肉(歯茎)により成り立っています。
セメント質は、歯根の表面を覆っている組織であり、歯根膜はセメント質と歯槽骨の間にある組織です。歯槽骨は、咀嚼の力を和らげて骨や歯に加わるダメージを抑えるクッションのような役割を持っています。
歯周病は、歯と歯肉の隙間に細菌が入り込み、歯周組織を破壊する病気です。
歯の種類と本数
歯の種類は、大きく分けて「切歯」「犬歯」「臼歯」に分かれます。切歯には、最も中心に位置する「中切歯」とその隣の「側切歯」があり、側切歯の隣に犬歯があります。犬歯は前から数えて3番目の歯です。
犬歯から後ろに、第一小臼歯・第二小臼歯・第一大臼歯・第二大臼歯・第三大臼歯(親知らず)と続きます。
永久歯は親知らず4本を含めて32本となりますが、親知らずが生えてこない場合は28本となります。
切歯とは、その名の通り食べ物を咬み切る役割をします。そして、犬歯は引き裂く働き、臼歯はすり潰す働きがあります。
- 神経が生きている歯
- 神経を取った歯