永久歯の構造
永久歯はエナメル質、象牙質、歯髄、セメント質によって構成されています。構造こそ乳歯と違いはありませんが、永久歯はエナメル質や象牙質の厚さが乳歯の2倍あるのが特徴です。
エナメル質歯の表面にあるとても硬い組織です。酸に弱いという特徴があります。
象牙質エナメル質の下に存在する組織です。 虫歯が象牙質にまで達すると痛みを伴うようになります。
歯髄血管や神経が集まる組織です。歯に栄養を供給しています。
セメント質歯根部の表面を覆っています。 比較的薄い組織ですが、歯根の部位により厚さは異なります。
永久歯の種類
永久歯は親知らずを含めると全部で32本あり、切歯(せっし)、犬歯(けんし)、臼歯(きゅうし)の3種類に分類されます。切歯は食べ物を噛み切る、犬歯は食べ物を切り裂く、臼歯は食べ物をすりつぶす役割を持っています。
永久歯の生え変わりの時期
乳歯の下には永久歯が待機しています。乳歯の根の吸収が進行し、ほぼ歯冠部のみの状態になると、乳歯は抜けて永久歯が生えてきます。
6歳頃に最初の永久歯である第一大臼歯が生え(最近では、第一大臼歯ではなく下顎の中切歯が一番早く生えるケースも報告されています)、12歳頃までに28本の永久歯が生え揃います。
第三大臼歯と呼ばれる親知らずは、一般的には計4本あります。親知らずは10代後半から20代前半に生えてきますが、中には親知らずが元々ない、あるいは4本揃っていないといった方もいます。
6歳頃に生え始める「第一大臼歯」
前から数えて6番目に位置する第一大臼歯は、6歳頃に生えてくることから「6歳臼歯」とも呼ばれています。
第一大臼歯は永久歯の中で最も大きく、噛む力の強い重要な歯ですが、特に虫歯になりやすい歯でもあります。
厚生労働省が行っている歯科疾患実態調査によると、第一大臼歯は50歳前後(45~54歳)で4分の1が失われているという結果が明らかとなっています。
第一大臼歯の虫歯リスクが高い
理由1完全に生えるまで(上下の歯が噛み合うまで)に1年~1年半ほどかかる
理由2噛み合わせの溝が深く複雑なため汚れがたまりやすい
理由3奥に生えているためブラッシングしにくい
永久歯の虫歯
虫歯は非常に罹患率が高く、成人の9割以上が虫歯にかかった経験があることがわかっています。
永久歯の虫歯の例
・歯の溝や歯と歯の間の部分の虫歯
・歯の詰め物の下で発生する虫歯(二次う蝕)
・歯周病により歯の根の部分が露出することで発生する虫歯(根面う蝕)
永久歯が虫歯になることのリスク
歯周病と同じく、虫歯は歯を失う大きな原因となります。初期の段階で進行を防ぐことができればよいのですが、虫歯が進行して歯質が崩壊している場合、歯科治療が必要となります。また、重度の虫歯の場合には抜歯しなければならないケースもあります。
永久歯が虫歯になって抜歯することとなった場合、歯がないままの状態が続くと咀嚼機能の低下や歯並びの悪化といった問題が発生します。そのため、歯を補うためにインプラントや入れ歯、ブリッジなどの治療を選択しなければなりません。
永久歯の虫歯を予防するには
永久歯の虫歯の予防策として、以下のような方法が挙げられます。